「このノットとこのカラビナを使いましょう^^」…だと?

T−1講座のMRSDdRTやレクリエーションの提供時などで行うDdRTに限っての話ですから。今のワークでは使うことが少ないと思うので、万が一間違ってここへきてしまったツリーワークされてるプロの方やアドバンスクライマーなどの方々は読まないで下さい。何も得る物ないですから。

アンカーヒッチとDMMウルトラD。私基本体験会はこれです。

講座でもアンカーヒッチと変Dカラビナを使うことが多いので大体こんなセッティングの人が多いかなと。でも別にこんなんじゃなくてもいいんですよ。

なんか昔から、ここで使うノットは◯○で、カラビナは◯○を使いましょうってだけで他の選択肢も根拠も提示せずに何処かで誰かが教えてるという話をよく聞いてましたが、教えをそのまんまやっていてもリスク回避にならないこともあるので、できればしっかりとした理屈や根拠を自分でも勉強した方がいいです。より安全でより快適になったり、奥深さを知ったり楽しみ方も広がっていくはず。と、うちの団体では伝えてると聞いてます。北海道だけ?

人を信用しないで自分でも確かな根拠を持つようにしてくださいと、変な話だけどいつも先生に言われています。だからそうしてるしまた自分で教える時もそうします。別に道具だけの話ではないです。ノット、システム(アクセス、ワークポジショニング、リギングとか何でも)、現場や樹や人員とかいろんなリスクアセスメントもそうですよね。とにかく何から何まで全てです。
まぁ今回はターミネーションに使うノットやそこに使うカラビナという小さな世界で思う事ですけど。。

違うカラビナを使ってみましょうか。
アンカーヒッチとムンターHMSビナ。ナローバンド側でヒッチを作るとゲートが開かない。開きずらい事有り。講座なんかでたまにいます。
ゲート開きずらいやつで他に、

小さめのDMMパーフェクトO→
これもきびしい。そもそもフィットしてないし。

じゃあナローバンドが特に狭いムンタービナでアンカーヒッチは使えないの?わかりきってるけどそんな事ない。ブロードバンド側にヒッチを作りましょう。(パーフェクトOは反転させたところで同じです)ただし使いずらいです。僕は。
基本ですけどゲートを下向きに開閉させないと、付け外しが非常に多い体験会や、樹上での付け外しの際などにホントに使いずらくて嫌いです。僕は。

なので、僕はナローバンドが狭いカラビナの時には画像のような→バントラインヒッチを使います。これT-3講座のテキストにも載ってます。こうすれば狭くなーい。
当初TMCAのDdRT講座で教えるノットなどを決める時に、沢山あるノットの中からバントラインとアンカーヒッチあたりに絞られたらしいのだけど、より間違いにくかったり覚えやすいだろうという事でアンカーヒッチにしたらしいっす。
でもその絞られるまでの選ぶ基準ってどんな事だったの?というあたりは書くまでもなさすぎるから割愛。というかこんな話題自体当たり前すぎますが…でも実際考えてない人もいるからね。

さて続き。←これ、気をつけましょうの代表例でよくあげられるやつ、フィギュア8オンアバイト。
問題点としては、ノット作りに時間がかかる(今までの他のやつより)。長さ調節が非常に面倒(バイトのアイの大きさや、ブレイクスとの間の長さ調節)。ブレイクスとの間の距離はブレイクスで調整できるけど、ブレイクスの末端が異常に長くなったりするのも嫌なんで。あと、ドレスができてない人が結構多いのも不安。あとはあまりにも当たり前な問題点で、マイナーアクシスになりやすいってところですよね。

そう→これが一番問題。回転しないようにバイトをキツく結ぶなんて事やってらんないです私。以前バイトの部分をゴムとかで締めるっていうのもありましたけどね。別にダメな事ないけども今となっては笑い話ですわ。
トラディショナルなDdRTだから荷重抜重を繰り返していると必然的にこうなるリスクが増大します。


キリがないのでもう一個くらいで。
←ヌースヒッチもありですよね。これはダブルフィッシャーマン。
ドレスしてしっかり締めないとオーバーハンドが緩みやすい気がする。バイトをしっかり締め続けられるようにしましょう。
気をつける事は、巻きつけてある末端側を引けば締め付けが解除されるところかな。例えば、枝や股に乗ったりした時なんかにロープのたるみを取るためにブレイクスを上げますけど、荷重が弱まった状態で力一杯押し上げるとヌースの締め付けが解除される可能性がある。みたいな。わかるかな?

←ヌースヒッチは画像のように巻きつけた末端側(ブレイクス側)を引っ張り上げるとバイトが広がりますよね。こうなったらフィギュア8オンアバイトと同じくマイナーアクセスに気をつけなければならなかったり、マイナーアクセスにならなくても荷重をかけた時にまたバイトが勢いよく縮まるというのもよくない。大きくはないけど摩擦だったりショックだったり。無駄なショックロード掛けないとかもロープでこういう事する時の基本ですよね。SRSにもつながっていきます。細かい性格ですみません…

マイナーアクシスになるのを回避する為に、←画像のようなワイヤーゲート付きやキャプティブバー、キャプティブアイとか今はいろいろ売ってます。こういうの使えばいいんでしょという声もあります。いいですよ使えば。でもね、今までだらだら書いた事とか知らずに、そして何故こういう製品が産まれてきたのか知らずに、最初からこれ安全みたいだからとかどっかの画像でこれ使ってたとか誰かに言われたとかで使い出してたのでは後々の段階で困る事が多くなると思います。対処できない事態が多くなりリスク管理もできないです。
できればシンプルな基本のスタイルから勉強して、潜在的な小さなリスクから一つ一つ潰していけるようにしましょう。いきなりいろいろすっとばしてキャプティブを使う前にできる事がいっぱいありますよね。そうしてから最後にキャプティブも使うようにすればより信頼できる安全な状態に近ずけるはずです。

僕はアンカーヒッチやバントラインヒッチを使っても、毎回毎回のファイブチェックや使用中でも気にし続けてます。基本のきです。
どのノットやカラビナ形状が正解とかないですから。
何故そのノットやカラビナを使う事を選んだのか、自分なりの安全に対する根拠を説明できるようにしていきましょう。
僕そんな事ばっか考えて迷宮入りしてます…

6mmのコードの事でちょっと考えた事

なんにでもそれがそこに使われているのには理由がある。唯の紐一本に見えても他の物ではダメな理由があるからそれなんです。ツリーイングの道具や手法には一つ一つそれが使われているわけがあるのです。。。                

今冬も東神楽森林公園のウパシの森で、ツリーイング体験を提供している。去年から天気にはいつも恵まれていて、晴れて穏やかな日が多い中開催できている。

 冬にツリーイング体験をしていると、いろいろと夏とは違う問題がでてくる。別に安全性に関わることではなく、なんだかやりずらそう、登りずらそうにしているなと感じる程度ですけど。。。そのうちの一つで、冬になるとフットループに足を掛けずらそうにしている人がとっても多くなる。というのがあって、今まで大した問題でもないんで改善策をちゃんと考えたこともなかったんだけど、暇だったのでちょっと考えてみた。どうでもいいような内容だけど、こんな事でも結構考える事が多かった‥

なぜ冬になるとフットループの扱いがうまくいかないのか。それは、ほぼ服装が原因になります。北海道特有の問題じゃないかな。

昼間でもマイナスの気温の日が続くこの時期は、当然誰しもがモコモコになる程着込んでいます。肌着の上に薄いもの、更にトレーナーやフリースなんかを着てからスキーウェアのような厚手のアウターを着込み、足元はゴツデカイ防寒靴そして雪の侵入を防ぐ為のカバー、手袋も綿などではなくスキーでも使えるようなあったか防水防寒手袋。。。そんな完璧な寒冷地雪遊びスタイルのままツリーイングをしようというのだから、やり辛くて当たり前。例えると、自分が急に太ってお腹が出てしまい、屈むのも苦しくて靴の紐も結べない状態になったような感じだな。そりゃ辛い。何とかしてあげなくては。

上の画像はいつもの普通のフットループ。実際の使い方はロープにぶら下がりながらだけど、似たような感じとして椅子に座って胸の前辺りまで持ち上げて、足もそこまで上げて輪っかに入れるみたいな感じ。持ち上げるとふにゃっとなるし、ゴツイ手袋して靴もごつくて引っ掛かりがあると足が入れずらい。ならば長くして輪っかの形状を保ち、持ちやすい物にしてあげればいいだけではないか。簡単。

輪っかの形状を保てる物何があるかな?例えば、プラスチックの何か(棒状や板状、)とか、木、針金とか、ダンボール、ゴム製品(板状、チューブ、ベルトとかいろいろある)、ホース類、硬い繊維製品(硬いロープとかウェビングみたいのとか)、いっその事フットアセンダー!既製品のフットループとか!うーん…

最初からわかりきったような物だったけど、やはりホースを選択。マイナス40℃でも硬化しないらしいチューブにしてみた。他を選ばなかった理由は、というかツリーイングでお客さん用に使うフットループが何故この6~8mm位のコードなのか?という事を考えると自ずと使えそうな物が限られるから。こんなものでも理由があるんですよね。

簡単に手に入って(値段も)簡単に誰でも作れて簡単にロープに取り付けられるし外せる、軽い、柔らかい、濡れても大丈夫とか、壊れづらいだとか、それはやはりプルージックコードに限りますね。ただ、過去にいろいろなコードを試したけども、硬いものは滑りやすい、安めのアクセサリーコードだと伸びるしコアの飛び出しとかあるし使えない。長さも長すぎても短くても使いずらい。結び方にしても、数あるフリクションヒッチの中でもツリーイングの使い方に良いのは一つ二つだし。ただの足掛け用でも適したものってあるんですよねー。で、逆に言えばこれに当てはまらないものはやっぱりダメ。実際に使うときの状況では、硬いもの重いものは近くのロープで登っている人などにぶつかると危ないし、降ろすときに緩めたり外してもらったりするけど落ちたら危ない。違う素材同士をくっつけるような加工やロープに何か入れ込んでもなぁ…適当な物が思い浮かばないし面倒だし。初めての人でも付け外しができるようにするには難しいかな。それに夏はそんなの要らない。とにかく、扱いずらい物であるという事はリスクにつながるという事でもありますね。ツリーイングの教えるBe safetyじゃないね。

そんなこんなで画像のチューブに。長さは少しずつ変えてみたので実際にお客さんの様子見て確定させようかと。外れにくいように螺旋状に切り込んで、後付けしたり洗うときに外したりもできるように。夏も付けておけば汚れにくくなるかな?  軽いし片手でも輪っかのまま持ち上げられるから、これなら太ってても大丈夫そうだ。

こんな他愛も無い紐一本(一般人からすれば)について考えてみました。